ビタミンCに種類があるの?
「ビタミンCは身体に良い栄養素」という認識を多くのみなさまがお持ちだと思いますが、肌に塗った場合も良い結果をもたらすという事実をご存じない方が多いと思われます。天然のビタミンC(L-アスコルビン酸)は体にとっては必須の栄養素です。飲んだり食べたりすることで体に補給していきます。
余談ですが、18世紀の大航海時代に多くの船乗りたちは壊血病(体中から出血が起こる病気)で命をおとしました。果物には壊血病を防ぐことができるビタミンCが含まれていることなどは知る由もありませんでした。
ビタミンCのおもな働きはコラーゲン合成の促進、シミやそばかすのもとになるメラニン色素の生成を抑制する、体内の活性酸素(体が錆びるもと)を除去する作用などが知られています。このような優れた効果を期待して、ドクタープロダクツの化粧品にはビタミンCを配合しています。
ただ残念なことに、ビタミンCはそのままの形では皮膚にほとんど浸透しません。
もちろんゼロではありませんが、本来の力を発揮する前に壊れてしまったり、高濃度のビタミンCを直接お肌に塗ると肌の表面でビタミンCが酸化してしまったりと、お肌に深刻なダメージを与えてしまうことも多いのです。
サプリメントとしてビタミンCを摂取することは大いに意味があると思いますが、ご自身が化粧品としてお肌に塗る場合にはどのビタミンCを選ぶかなど、きちんとお選びいただくことが必要です。
ドクタープロダクツでは不安定なビタミンCを誘導体として化粧品に配合することで、ビタミンCの弱点を克服し、肌の基盤を整えるというパワーを最大限に活かすことに着目しました。
コラーゲン合成に欠かせないビタミンC
さきほど触れた「壊血病」についてもう少し詳しく説明しましょう。
壊血病はビタミンCの不足が原因と説明しましたが、言い方を変えれば「コラーゲン」の不足から起こる病気とも言えます。
「コラーゲン」は人体の全タンパク質の1/3を占めているタンパク質です。皮膚だけでなく骨、血管など体の主要な部分を構成しています。実はこのコラーゲンは「ビタミンC」なくしては生成されません。体内にビタミンCが供給されなくなるとコラーゲンが生成されなくなるため、血管はボロボロになります。そう、壊血病はこのコラーゲンが不足して血管がボロボロになり全身から出血することによって起こるのです。「コラーゲン」と「ビタミンC」がいかに密接な関係があるか、このことからお分かりいただけるでしょう。又ビタミンC誘導体には、強力なコラーゲン合成能力があります。肌に浸透し、内側からコラーゲンを作る力をサポートすることで、様々な肌悩みに効果を発揮いたします。
ビタミンC誘導体って何?
ビタミンC誘導体とは何か?についてご説明しましょう。
ビタミンC自体は非常に酸化されやすく不安定な物質である上に皮膚への吸収にも難があります。つまり、そのままではお化粧品に配合されていてもあまり役には立ちません。このビタミンCに様々な分子をくっつけて「誘導体」の形にすることにより安定させることで、皮膚への吸収性が向上し、またビタミンCが壊れにくくなります。現在様々な種類の誘導体が開発されていますが、その効果や性質は様々です。
ビタミンCの種類
水溶性(主にローションなどに使用される) | |
ピュアビタミンC | アスコルビン酸 |
リン酸型ビタミンCの仲間 | アスコルビルリン酸Na、リン酸アスコルビルMg |
その他 | アスコルビルグルコシド、アスコルビルエチル |
脂溶性(主にクリームなどに使用される) | |
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP) (イソパルミチン酸アスコルビル) |
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水溶性・脂溶性両方の特徴を併せ持つ | |
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS) アミトースGOA(GOVC) |
ビタミンC誘導体の種類は?
ビタミンCには4本の手が付いています。
そこにどのような誘導体分子を結合させるかによって種類が異なります。
リン酸型ビタミンC(水溶性)
リン酸とビタミンCを結合させて安定させている成分です。ピュアアスコルビン酸とは異なり、外気に触れても酸化しにくく、肌の中に入ってはじめてビタミンCとしての機能を発揮します。DPローションテクノホワイトには「安全性と効果」の双方を考慮し、医療現場にてベストと考えられた濃度(5%)を配合しています。※一般的には高濃度配合と考えられます。
VCIP(脂溶性)
油溶性という特性から浸透性が高く、また持続性にも優れていることから、ゆっくりと肌に浸透していくタイプのビタミンC誘導体です。長時間(48時間以上)にわたり肌の中の活性酸素を除去する働きがあります。
APPS(水溶性・脂溶性両方の特徴を併せ持つ)
水分にも油分にも溶けやすい画期的なビタミンC誘導体です。従来のビタミンC誘導体の中でも特に高い浸透力を持つビタミンC誘導体で、肌の奥(真皮)にまで直接届くことから、活発にコラーゲン合成を促進します。
ビタミンC誘導体できめ細かい肌を!
ビタミンC誘導体には、肌のキメが整える働きがあるため、肌のターンオーバーにあわせて1ヶ月以上使い続けると、こうした効果を実感できると言われています。
肌の真皮層の約70%はコラーゲンで構成されていますが、コラーゲンをいくら肌の上から塗っても、皮膚の中のコラーゲンを増やすことはできません。
ところが、肌のコラーゲンを作る「繊維芽細胞」にビタミンC誘導体の一種「リン酸型ビタミンC」を加えたところ、コラーゲンの量が約2倍増加したなどのデータがあります。またパルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS)は肌の奥深くにダイレクトに働きかけてコラーゲンの合成を促進させます。つまりビタミンC誘導体は、健やかで若々しい肌を保つには不可欠なコラーゲンを作る細胞の重要な存在なのです。
ビタミンC誘導体で小顔効果も!? — DPローションの上手な使い方
皆さんがお使いのDPローションにはより効果の高い利用法があります。それが「マスクシート」。ローションをただ肌に塗るだけの場合に比べ、浸透性は数十倍。この方法でビタミンC誘導体を肌に浸透させると、ニキビの改善率が高くなったり、肌のキメが整って肌色が明るく見えるなどの効果をご実感いただけると思います。
それでは、実際に行う際のポイントをご紹介します。
マスクシートのポイント
(1) メークを落とし、洗顔する。
(2) マスクシートにローションを染み込ませ、5~10分パックする。
※ 顔にのせる際は気泡が入らないよう、ご注意ください。
※ マスクが乾く前にはがしてください。
DPローションテクノホワイトには高濃度ビタミンC誘導体が配合されているため、肌の状態により刺激が出ることがあります。その場合は、ローションを精製水で2~10倍まで薄めてお使いください。※希釈したローションを使用する場合にはその都度希釈するようにしてください。
もともとはニキビ治療の外用薬として、病院やクリニックで使用されるうちに美白効果やキメを整える部分が注目されるようになったビタミンC誘導体。製品化した後も安定性や使用感を改善してまいりました。その結果多くのみなさまにドクターズコスメとして長きにわたってご愛顧いただいております。
ピュアビタミンCって何?
成分として化粧品に配合した場合に、非常に壊れやすいのがピュアビタミンCの特徴です。酸化が早く、ほんの一部は肌に浸透するものの、肌の内部でコラーゲンを合成したり、メラニン色素の生成を抑制する働きはほとんどできません。
また効果を期待して高濃度に塗布してしまうと、紫外線が当たった際などに肌の表面で酸化されて酸化型ビタミンCに変化してしまい、この酸化されたビタミンCから発生するアスコルビン酸ラジカルは肌をかえって傷つけてしまいます。
サプリや飲料としてビタミンCを摂取することは良いことですが、化粧品として使用する場合は十分な注意が必要です。高濃度で肌に使用した後に、UVケアをせずに紫外線にあたれば非常に危険ですので注意が必要です。
メラニンは嫌われ者?
多くの女性が「メラニン」と聞くと「シミやそばかすの原因」と考えてしまうのではありませんか?
しかし「メラニン」は肌にとって重要な防衛隊です。太陽からの紫外線を吸収して「黒い傘」を開くことで肌へのダメージを少なくしてくれるのです。「でもやっぱりシミになるのは嫌」という声が聞こえてきますね。一部の化粧品に配合される美白剤はメラニンを減少させる働きがあるため、完璧な紫外線対策が必要となります。肌の防衛隊がいない状況で強い紫外線に浴び続けたら…。日頃の紫外線対策はもちろんのこと、メラニンを抑制しながら活性酸素を除去するビタミンC誘導体は大切な肌を守る、肌にとっては必要不可欠な成分なのです。