美的好奇心

第2回 コラーゲンは塗るの?食べるの?

「コラーゲンは塗るの?食べるの?」 という質問を受けることが良くあります。
皆さんコラーゲンについての関心は非常に高いですね。 今回はそんなコラーゲンについてお話します。

皮膚は大まかに分けると外側から表皮層・真皮層・皮下組織から構成されて いますが、コラーゲンは主に真皮層に多く存在します。 真皮は表皮の約 10 ~ 15 倍の厚みをもっていますが、表皮ほど細胞が密に つまっていません。お肌の「弾力性」や「柔軟性」を作っているとも 言えるでしょう。

その真皮層に多く存在するコラーゲンは、人間の体内で合成されるものですから、化粧品としてお肌から取り込むことは不可能です。最近は「ナノ化コラーゲン」なんていう言葉を聞きますが、これもちょっと疑問 ですね。外部からコラーゲンが体内に流れ込んで置き換わることができれば、ノーベル賞が取れますよ。

“化粧品のテクスチャーが良くなる程度”だと思っておいたほうが良い でしょう。 「ナノ化」は、意味がある成分とそうではない成分があるのです。

皮膚の弾力性のカギは「繊維芽細胞」です。繊維芽細胞がコラーゲン繊維や エラスチン、ヒアルロン酸を生産します。 繊維芽細胞が紫外線でダメージを受けたり老化してくると、若い頃のような 弾力性のあるコラーゲンやエラスチンを作ることができなくなります。

若々しいコラーゲンを生産するためには原料としてのタンパク質の安定供給 と、コラーゲン合成に必須のビタミン C および女性ホルモンが重要な働きを するのです。

結論から言えば「塗るのは保湿程度」「食べるなら高品質なものを選んで」 ということになりますね。 やはり細胞レベルで考えないと、きれいなお肌は創れないのです。